<ISO22000:2018年版解説(27)>

2021/02/14

主任コンサルタント 柏原 吉晴

<ISO22000:2018年版解説(27)>
テーマ:経営に貢献するISO22000:2018

TBCSグループの食品会社向け専門コンサルティング組織である
株式会社フィールズコンサルティングの柏原吉晴が担当します。

今回も、「8.5.1 ハザード分析を可能にする予備段階」について解説します。
本日はその中の「8.5.1.4 意図した用途」について解説します。

この要求事項は、自社が意図する製品の喫食方法を明確にした上で、
顧客・消費者による意図しない誤った取扱いや誤使用を想定し、想定に基づき
それら起因の食品安全ハザードを明確化するためにあります。

要求事項は以下の通りです。

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8.5.1.4 意図した用途

意図した用途は、合理的に予測される最終製品の取扱いを含めて、
最終製品の意図しないが合理的に予測されるあらゆる誤った取扱い及び誤使用を考慮し、
かつ、ハザード分析(8.5.2参照)を実施するために必要となる範囲で
文書化した情報として維持しなければならない。

必要に応じて、各製品に対して、消費者/ユーザのグループを特定しなければならない。
特定の食品安全ハザードに対して、特に無防備と判明している消費者/ユーザの
グループを特定しなければならない。
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最終製品が、老若男女問わず誰でも喫食できる食品であれば良いですが、
そのような食品は多くはありません。
経営上、訴訟リスクを回避する上で、誤った取扱い、誤使用を考慮して、
予め分かるようにパッケージに表示したり、取扱い説明書を付けて販売するなど
対策を講じる必要があります。

アナフィラキシーショックの症状を持つ方へのアレルゲン表示、
幼児、高齢者、妊婦さんなどにリスクの高い食品であることの表示や、喫食上の注意書き、
特定疾病者へ栄養成分などを明確にした識別表示などが重要となります。

外部コミュニケーション上も、お問い合わせ、質問に答える場合に、
意図した用途、特定の消費者/ユーザグループを特定することで、
正しい製品情報を、消費者・ユーザにお伝えすることが可能となります。

次回は、「8.5.1.5 フローダイアグラム及び工程の記述」を解説します。